2007年9月14日金曜日

巨乳グラビアアイドル

巨乳アイドルに相対する言葉として、胸の大きさに乏しいスレンダー体型の女性アイドルを指す言葉として「微乳アイドル」という造語がある(世間一般的には同じ意味の「貧乳」という造語もあるが、相手がアイドルである事を鑑みて「微乳」と呼ばれている)。また、胸の大きさいかんにかかわらず、形の綺麗な胸を持つ女性アイドルを「美乳アイドル」と称することもある。また最近では胸を露出しないながらも服の上からでも胸の大きさが目立つ女性アイドルも存在し、そういった場合は「隠れ巨乳」と呼ばれる場合がある。

「巨乳」という言葉が登場するまでは、見た目で大きなバストを持つ女性の事は「ボイン」ないし「デカパイ」という言葉で言い表されていた。日本において初めて公に巨乳の持ち主と認識された女性アイドルは、グラビアアイドルの祖とされるアグネス・ラムであろう。日本人アイドルで言えば1977年に第1回ホリプロタレントスカウトキャラバンを優勝して芸能界入りした榊原郁恵が当て嵌まる。当時の女性アイドルはその殆どが160センチ以下の身長でバストサイズもそれに見合った80cmそこそこでAカップからCカップといった体型が主流であった。

当時のアイドルとしては155cmという低い身長にはちきれんばかりの85cmバストを武器に歌手活動と共にグラビア方面でも人気を博した。その後この系譜に1980年デビューの河合奈保子(身長157cm、バスト84cm)、柏原芳恵(156cm、85cm)などが続いた。言葉としての「巨乳」が明確に現れ始めたのは1980年代半ばである。当初はAV業界方面でDカップやEカップのAV女優が登場し、そのタイトルに「巨乳」というキーワードが付けられるようになった。

当時のそういった流れにいち早く反応し、自らの哲学でバストの大きい新人アイドルを「巨乳アイドル」と称してグラビア誌に次々と送り出して成功を収めた芸能事務所がイエローキャブであり、その代表取締役社長であった野田義治(現サンズエンタテインメント代表取締役社長)である。自らの事務所に所属する女性タレントをほぼ全て巨乳の持ち主で固め、かとうれいこ、細川ふみえ、雛形あきこ、山田まりや、佐藤江梨子、小池栄子、MEGUMI、根本はるみらを毎年のように次々とグラビアに送り出し、1990年代のグラビア界に「巨乳ブーム」という一大センセーションを巻き起こす。

その流行はイエローキャブのみならず他の芸能事務所にも波及し、青木裕子、優香、酒井若菜、深田恭子、乙葉、井上和香、愛川ゆず季、相澤仁美など今なお多くの巨乳グラビアアイドルが次々と現れている。またこういった流れはグラビアのみならずお笑いの世界にも影響を与え、1997年デビューの女性アイドル芸人コンビ・パイレーツが『タモリのボキャブラ天国』に出演した際に披露した自らの巨乳をネタにした『だっちゅーの!』のキーワードでバカ売れし、翌1998年の流行語大賞を受賞した。

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